筒井 佐代(つつい さよ)
e-mail: tsutsui@lang.osaka-u.ac.jp

(1)自己紹介
 はじめまして。日本語教育学を担当している筒井です。出身は岡山市で、日本の三大名園の一つ、後楽園の近くです。最近の研究分野は、日本語の会話(特に雑談)の分析と日本語教育への応用です。
 子供の頃から世界旅行を夢見ていたせいか、様々な国からの留学生と関わる仕事に就くこととなりました。身の回りにある、ごくごく当たり前の物事も、外からの目で見てみると、まったく違う意味や価値を持つものであると気づかせてくれる留学生の人たちとの日々は、毎日が刺激的な異文化コミュニケーションの連続です。さらに、自分と世代の違う日本人学生の人たちの住む世界は、時間を超えた異文化。居ながらにして時空を旅するような経験の中で、日本に生まれ育った自分というものの輪郭がますます際立つ感覚と、同時に自分のかたちが揺らいでいく快感を味わっています。
 みなさんも、日本語専攻で居ながらにしてできる世界旅行(含日本)を楽しみ、時々飛行機や電車や船に乗ってリアルな別世界体験に出かけながら、充実した4年間を過ごすことができますよう、お祈りしています。

(2)推薦図書
《1》『普通のデザイン 日常に宿る美のかたち』内田繁(工作舎)1800円
 インテリアデザイナーである内田繁氏が、日本の文化の根源的な性格について、欧米諸国やアジア、アフリカなど、世界の様々な場所で講演した内容をまとめたもの。茶室に代表される建築や空間の特徴に始まり、「弱さ」(はかなさ、繊細さなど)の持つ豊かさ、日常の暮らしの中の美など、美しい写真とともに、読みやすい文章で語られている。「変化こそ永遠である」に、深く納得。

《2》『聖☆おにいさん 1〜7巻』中村光(講談社モーニングKC)552円
 21世紀の東京は立川に降りてきた、ブッダとイエスが主人公。天界からの長期休暇の日々は異文化接触に満ちあふれ、二人の言動は周囲とのちょっとした食い違いや勘違いを引き起こすも、なぜだか最後はほのぼのとした空気に包まれる。二人の人徳?に癒される、ほのぼの系ギャグマンガです。

《3》『日本の色辞典』吉岡幸雄(紫紅社)2800円
 なんと466色!である。日本語には色の名前がたくさんあることは知っていたけど、この本はその一つ一つをきちんと色で見せてくれる。時にはその色を染めるための植物や、その色が使われている絵や着物などの説明もあり、その色がどこから来たかという歴史の話もあり、色をキーワードにした日本文化事典という感じ。読まなくてもぱらぱらと写真を眺めているだけでもきれい。