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加賀谷寛大阪外国語大学名誉教授が第4回三笠宮オリエント学術賞を受賞

[2017.6.13]

 旧大阪外国語大学の加賀谷寛名誉教授が一般社団法人日本オリエント学会の「第4回三笠宮オリエント学術賞」を受賞されました。
 創立者のおひとりでもあり,日本におけるオリエント研究の推進者でもあった三笠宮崇仁殿下の名を冠した「三笠宮オリエント学術賞」は,日本におけるオリエント研究の発展に大きな学術的貢献をなすと判断された業績を顕彰する,大変権威ある,素晴らしい賞です。
 加賀谷名誉教授はイスラーム文化圏の地域研究に長年従事され,数多くの研究を発表してこられました。インド,パキスタンなどの南アジアの地域についての研究に加え,西アジアのイランについての研究も多く,宗教,政治,文化にわたって幅広く論じておられます。スンナ派だけでなく,シーア派についても早くから関心をもたれ,我が国に先駆的に紹介されてきました。ウルドゥー語やペルシア語の文献を用いてイスラームの諸相について地域に根ざした議論をされており,イランやパキスタンなどの民間信仰の次元にまで探究の目を向けられています。近年はイスラーム文化圏のさまざまな地域についての人類学的な研究も増えていますが,それらの研究に先んじた先生の先駆性は高く評価されています。すでに研究の進んでいた古典期と近現代のみならず,その間の時代のイスラーム思想の重要性を説いた点でも,近年の研究動向を先取りした研究といえます。
 今回の受賞は,以上のような長きにわたる研究並びに成果等によるものです。