2023 11/13 国立陽明交通大学 黃紹恆教授講演会を開催しました
2023年11月13日(月)13:30-15:00、国立陽明交通大学客家文化学院の黃紹恒(黃紹恆)教授を講師にお招きし、講演会 「台湾北部における客家地域の地方創生について」を開催しました。
講演で黄教授は、まず前提として、台湾における社会発展の過程で、少子高齢化や都市への人口集中といった現象が起こり、これらの問題に台湾が向き合わざるを得なくなったことを指摘しました。そのうえで、上記の問題を解決するため、政府が地方創生を推進し、若者が地元に帰ること、もしくは六大都市以外の場所に移住することを期待し、数年間の尽力を経て最初の成果を得ることができたと説明しました。
さらに、黄先生はご自身のフィールドワークの結果を紹介しました。その結果を踏まえ、言語と地方創生の関係について、若者が地元に戻ることができれば、地方の発展を促進できるだけでなく、地元の言語も保存され、それが使用され続けることで、アイデンティティの強化につながると、外国語学部の学生に向けてもう一歩踏み込んだ指摘をしました。
この他に、土地に蓄積した多くの歴史や文化的要素は一度失われれば元に戻すことができないことにも言及しました。近年、台湾企業が事業を拡大し、それに伴う環境問題が顕在化しており、科学技術の発展と文化の保存の間で何を選択するべきか、考える必要があるとも語りました。
講演の最後には、阪南大学国際観光学部の重谷陽一准教授も観光の立場からディスカッションに加わり、台湾と日本は類似点が多いため、互いに参考にし、学びあう必要があることも指摘されました。
講演終了後は、黄教授から新竹の名産品・東方美人茶と擂茶を用意してくださり、学生も台湾の飲食文化を体験することができました。