大阪大学台湾研究講座の今年度実施した活動について、情報を更新します。

活動報告

2025/10/09 国立清華大学歴史学研究所・歴史言語研究所ご一行が大阪大学を訪問しました

*中文由下面開始

国立清華大学の李毓中教授、廖秀娟准教授、廖秀娟准教授と大学院生3名、計6名が10月9日に大阪大学箕面キャンパスを訪問しました。
李教授は、14時から本学英語専攻の木本幸憲准教授と意見交換を行い、両学のオーストロネシア語研究の共同計画について議論を行いました。15時からは本研究プロジェクト代表者・林初梅教授と意見交換を行い、将来の共同計画のほか、両学間における交換留学生や教師派遣等の議題についても議論を行いました。16時に座談会が終了し、その後、李教授らは箕面キャンパスの設備や図書館を見学しました。

清華大學李毓中教授、廖秀娟副教授、謝宗霖助理教授,帶領三位研究生,共計6人於10月9日蒞臨大阪大學參訪。
李教授等人先於14:00與本校英語專攻木本幸憲副教授會談,深入討論兩校之間南島語言研究之合作計畫,接著於15:00與本校台灣研究講座主持人林初梅教授會談,除談及未來的合作計畫,也針對校際間的交換學生、教師派遣等問題提出討論,座談會於16點左右圓滿結束,李教授一行在會談結束後,參觀了本校校區設備及圖書館後,踏上歸途。

 


2025年10月14日

2025/10/08 台湾大学哲学系・梁益堉教授と台湾科技大学教務長・陳素芬教授が大阪大学を訪問しました

*中文由下面開始

台湾大学哲学系の梁益堉教授、及び台湾科技大学教務長の陳素芬教授が大阪大学箕面キャンパスを来訪されました。台湾大学と台湾科技大学、大阪大学の間での学生募集、交換留学、学者訪問などの議題について、本研究プロジェクト代表者・林初梅教授と意見交換を行いました。

台灣大學哲學系梁益堉教授及台灣科技大學教務長陳素芬教授來訪,針對台灣大學、台灣科技大學與大阪大學之間招生、交換留學、學者互訪等問題進行交流。

 

 

2025年10月14日

2025/10/02 プロジェクト代表者・林初梅教授が大阪府立住吉高校で講演会を行いました

*中文由下面開始

本プロジェクトの研究代表者・林初梅教授は、10月2日に大阪府立住吉高校で「台湾に暮らす人々のアイデンティティの多様性と多層性」と題した講演会を行いました。住吉高校は12月に台北中山女子高級中学(日本の高校に相当)との交流を控えており、交流に参加する高校生320名が本講演に参加しました。

林教授ははじめに、高校生に興味を持ってもらうため、2025年度の大阪大学文学部(日本史)で出題された台湾史に関する入試問題を紹介しました。

「日本は1874年に台湾に出兵し、清と対立した。台湾が経験した政治的状況について、日本との関係を中心に、日清戦争後から中華人民共和国の成立までの過程を、具体的に述べなさい。(200字程度)」

林教授は学生たちに、これをきっかけに台湾史を勉強し、日台関係への理解も深めてほしいと語りました。

さらに林教授は、台湾の飲食文化や歴史的建造物といった話題から、台湾文化の多様性について説明しました。

最後に話題を、昼食のデリバリーを求めて校長室前で弁当を食べながら抗議した中山女子高中の学生たちのニュースへと移し、台湾社会における民主主義、そして自らの権利を守るために声を上げる台湾人の姿勢を強調しました。



主講人林初梅教授應大阪府立住吉高校邀請,赴該校演講,對象是12月份即將到台北中山女中交流的日本高中生320人。

為了提高學生的學習興趣,林教授首先介紹了阪大文學部的入學考考題,因為考題中出現了台灣史相關問題,即

「日本は1874年に台湾に出兵し、清と対立した。台湾が経験した政治的状況について、日本との関係を中心に、日清戦争後から中華人民共和国の成立までの過程を、具体的に述べなさい(200字程度)。」

主講人希望學生們藉此學習台灣史,並理解台日關係。然後也談及台灣的飲食文化和歷史建築物,以此說明台灣文化的多元性。最後,把話題轉向中山女中學生為爭取午餐外送,在校長室外吃便當抗議的新聞,以此凸顯台灣社會的民主,以及台灣人為爭取權益,絕不沉默的特徵。

 

 

 

 

 

 

2025年10月09日

2025 5/27 荘佳穎氏講演会「台湾史上初の「台湾語による公民児童絵本・アニメ」シリーズの誕生-いかにして学術的関心を芸術創作に転化させてきたか」を実施しました

民主化以降の台湾において、母語の継承は重要な社会問題である。中国語の普及により、台湾語を話すことのできる若年層が大幅に減少していく中、いかにして台湾語を継承できるのかーーこのような問題意識を持ちながら様々な活動を行っている台湾師範大学の荘佳穎副教授兼系主任を講師として招き、荘氏が2020年から取り組んでいる「台湾語による公民児童絵本・アニメ」シリーズの制作およびその背景や意図について講演いただきました。荘氏自身の専門である社会学の視点と、二児の母としての教育実践を架橋する観点から、荘氏自身の取り組みについて貴重な講演がなされました。

当日は、大阪大学人文学研究科博士前期課程2年の内田晶が通訳を担当しました。

2025年06月17日

2024 12/16 公開シンポジウム「台湾先住民の権利と狩猟文化の継承」を開催しました

 2024年12月16日、大阪大学外国語学部中国語専攻深尾葉子教授の企画のもと、大阪大学台湾研究講座主催公開シンポジウム「台湾先住民の権利と狩猟文化の継承」を実施しました。深尾教授の指導学生や、一般参加者を含め65人ほどが参加しました。

 本シンポジウムでは全3部のセッション(各90分)にて台湾及び日本の狩猟やジビエを巡る現状、問題点についてディスカッションを行った後、日本の鹿肉等を使ったジビエ料理試食会を実施し、参加者にジビエについてより深く知ってもらえる機会を設けました。

 

 

第一セッション

 第一セッションでは、まず深尾教授が趣旨説明及び2023、2024年の台湾出張報告を行いました。深尾教授は、以前より関わりのあった兵庫県丹波市での獣害や里山の維持の課題について、より多くの人に知ってもらいたいと思っていた中、台湾出張で張仁傑氏と出会い、台湾の原住民の狩猟文化も多くの困難や問題に直面していることを知り、今回のシンポジウムの企画に至ったことを説明しました。また、台湾の原住民の狩猟文化は宗教や信仰や在地の知恵に根差したものであるが、日本の狩猟はかつての文化的意義が失われ、現在は野生動物の数の管理や駆除、それに伴う補助金の支給等、事務的なものになってしまっており、本シンポジウムを通して文化に組み込まれた狩猟をもう一度考え直し、相互理解の場としたいと強調しました。

 次に、東京大学大学院博士後期課程の周頡氏が「現代社会における狩猟実践と法との衝突と調和可能性:台湾原住民の経験から」と題し、報告を行いました。周氏は、まず、狩猟活動の減少と法的規制についての関係を紹介し、次に原住民の狩猟が現代社会において持つ意味について言及しました。最後にTalum Suqluman狩猟事案を取り上げ、結論として、原住民学者を含む原住民の在来知を理解できる人々を多く招き入れ、彼ら/彼女らが原住民の視点から自らの声を発信することで、裁判官が原住民文化への深い理解を得ることができると述べました。


 深尾教授 趣旨説明・台湾出張報告

 

 周頡氏 報告

第二セッション
 第二セッションでは、新北市原住民族狩猟協会理事長の張仁傑氏が「タイヤル族の狩猟文化とその継承」と題し、報告を行いました。張氏は、本シンポジウムの前に訪問した兵庫県丹波市での猟師との交流について取り上げ、日本と台湾の狩猟の現状を比較しつつ日本の狩猟の課題について言及しました。次に、張氏自身の猟師としての経歴や経験について言及し、法規制や協会設立などとの関連から狩猟をめぐる状況の変化について述べました。そして実際に獲った獲物の写真や映像を共有し、当時の状況や各動物の特徴を詳しく説明しました。臨場感のある写真や映像に、来場者から時折感嘆や驚きの声が上がりました。また、近年日本で害獣の被害が増えている点についても取り上げ、植生を原生林に近い形に戻していくことで解決する可能性があることを述べました。最後に張氏は、他の報告者及び来場者と意見を交わし、台湾と日本の地方活性化のヒントを得たいと語りました。

張仁傑氏 報告(通訳:中井健太氏)

第三セッション
 第三セッションでは、シェフズキッチンカナールの中西次郎氏が「日本のジビエ利用の現状と課題」と題し、報告を行いました。中西氏は、表題に内容の解説に加え、今回のジビエ試食会のメニューの調理についても紹介しました。
 次のトークセッションでは、来場者から多くの質問が寄せられ、張氏を中心に、周氏、深尾教授が回答及び質問に関する討論を行いました。
 本学の学生からは、日本で問題になっている外来種問題にどのように対応しているか、原住民の立法議員の役割についてなどの質問がありました。来場者からは、原住民の民族数についての質問や、農業に従事した経験のある人から害獣駆除の方法についての共有や、それを受けて張氏らからアドバイスがありました。
 

 トークセッション

 セッション後のジビエ試食会には約40名が参加しました。提供された料理には、鴨肉、イノシシ肉、鹿肉等が使用され、フレンチだけでなく和食風のものもあり、ジビエ料理の幅の広さを実感できました。学生からは、鹿肉が思ったより柔らかくて食べやすい等の声がありました。

 試食会の様子

2024年12月25日
» 続きを読む