2025/5/28 一級建築士渡邊義孝氏による講演会「台湾日式建築とは何か~台湾アイデンティティと保存再生の論理」を実施しました
*中文由下面開始
2025年5月28日 10:30~12:00に、大阪大学豊中キャンパスにて、一級建築士・渡邊義孝氏による講演会「台湾日式建築とは何か~台湾アイデンティティと保存再生の論理」を実施しました。
本研究プロジェクト代表者・林初梅教授が開講している全学共通科目「台湾研究入門」の一環として、公開授業の形で行われました。授業履修者の他、一般参加者や学内参加者を含め、合わせて20名程度が講演に参加しました。
渡邊氏は2011年から、台湾に残る日本統治時代の建築(日式建築)のフィールドワークを続け、それらのフィールドノートをもとに2019年に『台湾日式建築紀行』を出版しました。
本講演会では、そのような渡邊氏の経験をもとに、台湾における日式建築の保存と台湾アイデンティティとのかかわりについて、具体例とともに紹介されました。
講演の冒頭では、台湾の街並みに一般的に見られる「騎楼(アーケード付き歩道)」が、実は日本統治期の都市計画の規定に由来するという興味深い事例が紹介されました。また、戦後「敵性建物」とされた日本統治期の建築が、戒厳令解除後の保存運動を経て「文化創意産業園区」として再生された過程についても説明がありました。 渡邉氏は、台湾の「日式建築」は単なる日本建築ではなく、和風・西洋風・中国風の伝統様式が融合した独自の建築様式であると述べられました。
最後に渡邉氏は、台湾人が日式建築を好むのは単に「親日的」だからではなく、台湾社会が自らの歴史と向き合い、祖先の記憶の一部として受け止めているからだと述べられました。学生たちは、台湾の建築を通じて台湾人のアイデンティティを考える貴重な機会となりました。