2023 10/1 第4回台湾引揚研究会
2023年10月1日 10時から11時10分まで、広島大学東京オフィスにて第4回台湾引揚研究会を行いました。今回は、共立女子大学菅野敦志教授による研究報告を実施しました。
菅野教授は、1954年にフィリピンのマニラで開催された第2回アジア競技大会に参加した各外地生まれの日本人選手に注目し、彼らの外地での生活、引揚げ、及びその後の経験がどのようにスポーツに結び付けられたのか、その後、彼らの力がどのように生かされたのかを主に分析しました。
また、菅野教授は、先行研究も踏まえ、第2回のアジア競技大会について、1951年に日本がフィリピンの反発を受けながら参加したニューデリーの第1回アジア競技大会、東京オリンピックのショーウィンドウとしての1958年第3回大会の間の大会としてスポーツを媒介としたアジア復帰、和解のナラティブの意味を持つ大会と位置づけ、そこに外地出身者が参加していたことの意味を考えることで、これまでのスポーツ史の叙述の枠組みを見直していく必要性を説きました。
報告終了後は、戦後中華民国の国際スポーツ大会の構想について、アジア競技大会における日本語交流の状況についてなど、当時の台湾とスポーツの関連、帝国日本期からの連続性を意識した質問が出されました。