2024 5/17 林伯杰氏による「民歌」講演会を開催しました


 2024年5月17日の13時30分~15時まで、大阪大学箕面キャンパス記念ホールにて、台湾で著名な音楽プロデューサー・林伯杰氏による講演会(担当:郭修静特任教員)を開催しました。2019年以降、林伯杰氏には講演会で度々お世話になっており、今回は「民歌49 永恆的未央歌 台湾フォークソングよ、永遠に」という題でご講演いただきました。

 

 本講演会では台湾の学園フォークソングの50年の歴史、時代背景、裏話等が紹介されました。台湾では1965年にテレビ局が設置された頃は日本の歌謡曲に影響を受けた曲が人気でした。しかし1970年代に入ると、中華民国の国連脱退や日本との国交の断絶を受け、曲風も変わり始めました。当時の若者はアメリカの曲を好みましたが、1975年に台湾大学の学生・楊弦が台北中山堂でのコンサートを開き、1976年の淡江大学のフィリピン出身の華僑・李雙澤が台湾語の曲「補破網」を歌うなど、「自分たち」の曲を歌う者が現れ、それが台湾社会全体に認知されるようになりました。

 そのような中、1977年に学園フォークソングを表彰する、金韻獎が創設されました。学園フォークソングの歌手は、フレッシュな雰囲気と親近感があることが大きな特徴でした。その後金韻獎からは、「美麗島」、「橄欖樹」等のヒット曲が生まれましたが、戒厳令の影響を受けて、CD発売の見送りや歌詞の変更を余儀なくされることもありました。

 

 上記のように、台湾の楽曲は、初期には日本の影響を受け、次にアメリカの影響を受けた後、1980年代に台湾独自の路線を進みました。学園フォークソングはその先駆けとなるような存在であり、1980年代は台湾の流行音楽界のキーポイントになりました。

 林先生は、音楽は外国語の勉強に最適なので、学園フォークソングをぜひ活用するようアドバイスをして、本講演会を締めくくりました。


2024年05月22日