センター長挨拶
教育・研究環境における国際化の進展は近年益々活発化しており、国際社会において即戦力となる実践型グローバル人材の育成・輩出が我が国の大学における重要なミッションとなっています。大阪大学でも「大阪大学未来戦略(2012-2015)-22世紀に輝く-」を平成24年度に公表し、その一つの柱に高い倫理観を保持した優秀なグローバル人材の育成を掲げております。他方、我が国の産業界においても経済のグローバル化に対応すべく、競争力の向上を目指した国際化が進み、海外でも通用する柔軟で多様な能力を有したグローバル人材の獲得が急務となる中、大学に対して、また大学と共にグローバル人材の育成を望む声が更に強まっております。
このような背景のもと、大阪大学では、接合科学に関する我が国唯一の共同利用・共同研究拠点である接合科学研究所と、我が国唯一の25 世界言語の教育・研究資源を有する言語文化研究科との有機的な文理融合連携を通じて、上述したような国際化の加速に伴う様々な課題解決を図るべく、平成25 年度より文部科学省特別経費プロジェクト「広域アジアものづくり技術・人材高度化拠点形成事業」を5か年計画で実施しています。具体的には、①同地域におけるトップレベルの大学・研究機関と接合・材料科学に関する大学間・研究者間グローバルネットワークを構築し、国際連携研究を展開する(ネットワーク形成事業)、②先進的接合加工技術として、海水中レーザ加工プロセスの基盤技術を構築する(ものづくり事業)、③同地域の日系製造業における体験型研修を通じ、専門性の習得と多言語異文化の理解、高いコミュニケーション能力と自己啓発力を有する国際化学生の育成活動を実施する(ひとづくり事業)といった3つの基本課題を遂行しています。特に、ひとづくり事業においては、日系企業での「文系+理系/日本+アジア」のペア学生活動によるカップリング・インターンシップ(CIS)なる新たな概念に基づく我が国初の実践型ものづくりグローバル人材育成研修を試行し、異文化・多言語に通じた多様性の素を有するグローバル人材の育成を行っています。
皆様からのご支援とご協力の下、事業の更なる発展を目指し取り組んで参ります。
国立大学法人大阪大学 接合科学研究所 所長
大阪大学接合科学研究所及び言語文化研究科
広域アジアものづくり技術・人材高度化センター センター長
田中 学